Venarian Gold
タグ:Card of the Day, MTGシングル, Venarian Gold, レジェンド, 岩SHOWCard of the Day -今日の1枚- 2013/08/03
Venarian Gold
M14ルール変更ウィーク、トリを務めるのはほとんどのプレイヤーが存在自体知らなかっただろうこの1枚。
オラクル・ルール変更リストの中でもかなり浮いた1枚となっている。
《脱水》《睡眠発作》《閉所恐怖症》といった、現在では定番の青のアンタップ妨害系オーラ。その先駆者にあたるのがこの「レジェンド」のコモンだ。
睡眠カウンターが乗っている限り、このオーラをつけられているクリーチャーはスヤスヤと眠りについてアンタップされることはない。
X個カウンターが乗った状態から始まるこの深い眠りは、そのクリーチャーがアップキープを迎える度に薄れていく。
現代の《閉所恐怖症》が3マナで永遠の眠りをもたらすのに対して、このカードは同じ3マナでは1ターンしか防いでくれない。
マナを注げば注いだだけ寝かしつけてくれるが、重すぎるし期限付きというのは大きなデメリット。
何事も最初に始めるのは難しいらしい。
さて、本題のオラクル変更であるが、こんなカードでも実は複数のオラクル変更を経験している、歴戦の猛者なのだ。
カウンターを乗せるのがクリーチャーではなくオーラ自身になり、それが睡眠カウンターに変更され、戦場に出た時にクリーチャーをタップすることが明確化され、カウンターを取り除くタイミングがちょくちょく変わり、睡眠カウンターを置くタイミングが「戦場に出る際」へと変わり、さらにそれが以前どおり「戦場に出た時」に戻され...オラクル変更の申し子のようなカードである。
そして今回の変更。これまで放置され続けた肝心要な部分にメスが入ることとなった。
「戦場に出た時、X個の睡眠カウンターを置く」これでは実はこのカードは全く機能しない。スタック上でいくら膨大なマナをXに注ぎ込んでも、戦場に出たパーマネントのXは「0」として扱われる。
即ち、睡眠カウンターを置く数は0。一体このカードは何をするために生まれてきたというのだろうか。
こんな悲惨な事態をいつまでも放置する訳にもいかず、今回「戦場に出た時、唱える際のXに等しい数の睡眠カウンターを置く」というテキストに生まれ変わり、マジックの歴史上から一つ、悲劇が消えることとなった。